秋のキャンペーン結果報告 | チャイルドライン

秋のキャンペーン結果報告

実施体制

期間: 2007年11月1日(木)-30日(金) 日曜日を除く26日間
毎日16時-21時
参加団体・体制: 全国57団体 1日に23-40回線(97-177時間) 1ヶ月で3,588時間
関わったスタッフ数
(のべ):
・受け手 1,486人 1日平均57人
・支え手 646人  1日平均25人 
・その他スタッフ 345人  1日平均13人
総勢2,477人 (1日平均95人)のスタッフが参加!!
※キャンペーンアンケートより(57団体中37団体が回答)
広報:

・カード:約475万枚(参加団体等を通して)
 ※0歳から18歳までの子ども人口約2,200万人の約20%に配布
 ※6歳から18歳までの学齢期人口約1,600万人の約30%に配布
・ポスター:約7万枚
参加団体等を通して2万枚
文部科学省の協力によりチャイルドラインの未設置県14県へ5万枚


今回のキャンペーン2つの目的を持って実施した。1つ目は、「チャイルドラインを子どもや大人に知らせる」という本来の目的。2つ目は、「チャイルドラインの将来構想である『全国統一番号フリーダイヤル化』実現のための試行」という目的である。具体的な手法として、以下のような特徴がある。

前者は文部科学省の協力を得て、チャイルドラインのない県に初の試みとして5万枚のポスターを配布したことである。全ての子どもにチャイルドラインの存在を知らせるための、さらなる一歩となった。また、カード・ポスターはともに過去最大の枚数を作成・配布した。初めてカードを配布した青森県や秋田県でアクセス数が多く、カードの広報効果の高さがうかがえるとともに、潜在的な需要の高さを感じさせた。

後者は“初の全国を対象とした1ヶ月間のフリーダイヤルキャンペーン”であったことである。年間を意識した体制作りということで、過去に8回行ってきた5月の「子どもの日チャイルドライン」全国キャンペーンでは、1週間の期間に集中的に実施体制を増強させているが、今回は通常の体制に近い状態で電話を受けた。ただし、あくまでも通常通りではなく、通常の体制よりも体制増強をした団体は37団体にのぼった。スタッフなどの人数も、通常より多くの人数が関わったところが多かった。その結果、全国で平均1日に100名弱の人たちが1ヶ月間、チャイルドラインに関わったことになる。


結果概要

表1:フリーダイヤル0120-7-26266へのトラヒックデータ概要
(NTTコミュニケーションズのカスタマーコントロールによる「トラヒック」データより)
地域名 アクセス数 着信数
(着信率)
平均通話
時間
全体 固定電話 携帯電話 公衆電話
全国 64,984件 20,351件(31.3%) 36,562件(56.3%)
8,071件(12.4%)
18,737件(28.8%)
3分46秒
北海道東北 7,745件 4,085件
(52.7%)
3,136件
(40.5%)
524件
(6.8%)
1,414件
(18.3%)
4分57秒
東京 6,811件
2,312件
(33.9%)
3,481件
(51.1%)
1,018件
(15.0%)
2,068件
(30.4%)
4分50秒
関東甲信越 17,909件
4,203件
(23.5%)
11,538件
(64.4%)
2,168件
(12.1%)
6,088件
(34.0%)
3分23秒
北陸 5,361件
417件
(7.8%)
4,686件
(87.4%)
258件
(4.8%)
2,241件
(41.8%)
1分35秒
東海近畿 8,752件
3,293件
(37.6%)
3,799件
(43.4%)
1,660件
(19.0%)
2,935件
(33.5%)
3分26秒
中国四国 14,187件
4,232件
(29.8%)
8,407件
(59.3%)
1,548件
(10.9%)
2,210件
(15.6%)
4分47秒
九州沖縄 4,219件
1,809件
(42.9%)
1,515件
(35.9%)
895件
(21.2%)
1,781件
(42.2%)
3分50秒

携帯電話からの電話は全体の半分以上を占めており、携帯電話が子どもに定着している様子がうかがえる。

表2:期間中の総着信数 
(総着信数はチャイルドラインデータベースより)
フリーダイヤルの着信数 市外局番の電話への着信数 総着信数
18,737件
4,804件
23,541件


表3:11月12日-30日(17日間)の実質的な人数に関するデータ
(NTTコミュニケーションズのカスタマーコントロールによる「コールの構成」データより)
アクセス数 かけてきた子どもの数 つながった子 あきらめた子 平均発信回数
37,492件
15,164人
12,102人(79.81%)
3,062人(20.19%)
2.47回

全体の着信率は28.8%であったが、11月12日-30日の17日間では37,492件のアクセスがあったうち、実質的にのべ15,164人の子どもが実際に電話をかけ、そのうちの12,102人、約8割の電話を受けられたことがわかった。


電話の内容について

チャイルドラインデータベースによると、キャンペーン用フリーダイヤルを含め、期間中の総着信数は23,541件であった(表2)。前項の着信数18,737件と4,804件の差があるが、これは通常の固定電話回線に入ってきた電話も含むため、総着信数として、この件数になっている。全体の6割強はすぐ切れてしまったもの、無言、からかいの電話などである。(グラフ1)これは、チャイルドラインの特徴でもある。やっとの思いでかけてきたが、結局言葉を発せずに切ってしまった電話、チャイルドラインが信用できるかということを試してきているとみられる電話などである。全体の平均通話時間は3分46秒であったが、グラフにある、「1から5以外の内容」(8,272件)、つまり会話が成立した電話では、平均通話時間が11分34秒となっている。なお、15分以上の電話が2,201件で全体の約10%(グラフ4)、30分以上話した電話は897件あった。







(グラフはチャイルドラインデータベースより)
※通話時間分布:一言やお試しなどの多くが1分程度のため、「1分から15分未満」の割合が増える。

内容はこれまでのキャンペーンと同様、人間関係に関することやいじめ、性の悩みが多い(グラフ2)。子どもたちは、コミュニケーション能力を磨く機会が少なく、うまく人間関係が結べなかったり、人間関係を会話で解決していくことができずに、いじめにもつながっていったりしている。性の悩みはほとんど男の子からの電話であった。世間に氾濫している性情報に翻弄され迷い悩んでいる、でも仲間同士では自分の性のことは話しにくいといった様子が伝わってくる。男の子からの電話は、女の子に比べ中学生以上の年齢の比率が多いのも性に関する電話が多いからである。(グラフ5)また、特別これといった悩みというのではなく、話し相手を求めているという電話も多く合った。中には最初はいじめの悩みということで話をしてきたが、実は話し相手がほしかった、という電話もあった。また、「名前を言わなくてもいい」、「ヒミツは守る」ということを確認する電話が目立った。

話題がどこで起きたことかを見ると学校に関わることが1位である。(グラフ3)さらに、内容を、場所との関係で見ると、学校の中では、人間関係、いじめを合わせると64%となっている。(グラフ3-2)友達・先生・先輩などとの人間関係作りに心を砕き、傷ついている様子が伺える。子どもにとって1日の大部分を過ごす学校は、楽しくもありストレスもある、しかし1番気がかりな場所なのだろう。次に、場所には関係がない自分自身のことが大きな割合を占めた。この項に入る性(グラフ3-3)は、第2性徴期を迎え、からだや異性への関心の変化などに対する不安や疑問などが含まれる。雑談・話し相手、恋愛・異性関係などはさておき、心の不安では、最近、数は多くはないが重篤な症状を抱えていると思われる電話が繰り返しかかってくることが、以前より増えた。家族関係は12%となっているが、他の話題に比べ家族関係のことは言いにくいと推測され、潜在的なものを考えると、割合としても、もう少し増えるのではないかと思われる。





電話の傾向

平均通話時間は平均すると3分46秒であるが、端末別に見ていくと固定電話の平均通話時間が長いという特徴があった。(グラフ11)携帯電話や公衆電話の平均通話時間が短いのは、おためしの電話をかけてくることが多いことも影響していると考えられる。特に早い時間帯には、友達と一緒にお試しでかけてくる電話が多いという声が現場からあがっている。19時台には全体的に件数が落ち、20時台には増加しているが、これは夕食の時間が影響していると考えられる。




まとめ

今回のキャンペーンを実施した2つの目的から結論づける

1:子どもや大人にチャイルドラインを知らせる

フリーダイヤルかかった電話と通常の番号の電話にかかった電話を合わせると23,541件の電話がかかった。1日平均905件である。大きな成果であった。しかし、全国の子どもの人口比で言えば0.11%であった。この結果を、多いと見るのであろうか、少ないと見るであろうか。今の子どもの状況を考えると、決して充分とはいえないだろう。その意味でも、全国一斉に広報を展開することができ、通話料がかからないことで電話がかけやすくなる「全国統一番号・フリーダイヤル化」は重要である。

2:将来構想に向けての試行として

地域または全国のチャイルドラインが協力しあえれば、日曜日を除く毎日、一番電話件数が多いと思われる時間帯に、全国の子どもたちから電話を受けることが可能であることが分かった。つながらない電話が多いという懸念も、NTTの新システムを使った調査によって、かけてきた約8割の子どもの電話がつながったことが判明した。かからない場合でも、3回トライすれば大方がかかることも分かった。

外部との関係としては、総務省を通してNTT、KDDI、Softbankの通信事業3社からの協賛が得られたこと、文部科学省の調査研究委託事業として実施したことや、文部科学省のチャイルドラインがない県への小中学校へのポスター配布協力など、今後のチャイルドラインを支える基盤づくりとして、大きな成果があった。

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